ファイナンスからオペレーションへ
新卒でゴールドマン・サックス証券へ入社し、投資銀行部門にて資金調達やM&Aアドバイザリー業務に従事していました。年商数千億円規模の案件にも携わり、非常に刺激的な毎日を送っていましたが、新卒で入社して以来エクセルの数字越しに眺める企業は、どこか現実とはとても遠いもののように感じてもいました。
ある時から同社の投資先企業も担当し始めたのですが、これが私にとって非常に興味深い経験となりました。投資先はもともと経営的に芳しくなかったことから再生プロセスを組み始めるところで、来日したプロ経営者が再生プロセスを主導していました。そのプロセスのおかげでどんどん業績も上向いて、働く人の顔もみるみる明るくなっていったのですが、私はその横でレポートをまとめて本社に報告するだけ。会社内の業務プロセスに入りたくとも入れないもどかしさがありました。その出来事がきっかけで「経営にもっと深く携わりたい」と強く思うようになり、リヴァンプへ入社します。
経営改革への気づき
リヴァンプに入社したのは社会人4年目のときだったと思います。入社後は飲食チェーンから始まり、百貨店、自動車販売など様々なプロジェクトを経験することが出来ました。最初に担当した飲食チェーンの案件では、ファイナンス畑の私にできることと言えば、事業計画書を作成したり財務モデルを組んだりすることだけで、事業の改革や収益貢献をすることは到底出来ませんでした。例えば、数字上は店舗別に粗利が違うことは分かっていたのですが、その理由も解決方法も分かっていませんでした。先輩からの教えで、事業を理解するためには現場だ、ということで、数字分析を続けながらも実際に店舗で働く、という毎日を半年ほど続けました。結果として、現場に入ったからこそ店舗によって粗利が違う原因を突き止めることができ、施策を実行し改善させることができたのです。「業務改革とは何か」を少しずつ理解し始めた瞬間でした。
経営改革事例の蓄積
その後、投資銀行時代の強みを生かしたファイナンス型の経営企画を中心にしつつも、デジタルマーケティング改革、営業改革、商品・サービス改革など、経営改革機能における自分の強みを増やしていくことに注力しました。そのあとは主に創業オーナーやファイナンシャルスポンサー、親会社等から依頼された経営支援プロジェクトにおいて、飲食、消費財、サービス、リテール、インターネットなどあらゆる業種、スタートアップ、成長、再生、再成長などの各フェーズでの経営改革を支援しています。また、リヴァンプの自社事業の経営や、投資業務にも挑戦し、自分の関与できる幅が広がって行きました。
一方、様々な案件を通して感じたことがあります。それは、実業の推進はきわめて属人的で、明確な技術と経験なしには経営に貢献できない、ということです。それゆえ、現在のように以前にも増して経営の変革が必要とされる中で、実業を牽引する人材が不足しているのだとも感じ始めました。
経営改革技術と人材の強化
今後は、引き続き企業の経営支援を行っていくと共に、経営改革の切り口や業界の知見をさらに深めていきたいと思います。同時に、リヴァンプが持つ、IT/DX、投資の機能との融合を今以上に図り、より複合的で統合的な経営改革の推進を可能にしていきたいと思います。また、こうした経営改革の経験をもった人材を多く輩出していきたいと考えております。