
斉藤 武一郎 SAITO TAKEICHIRO
役職: | マネージングディレクター |
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担当領域: | 全領域 |
出身企業: | 広告代理店 |
プロフィール
1998年博報堂入社。アクセンチュア戦略グループを経て、ハリウッドにてCG会社を起業。
2009年リヴァンプ入社。コンサルティング案件では主に経営戦略立案、マーケティング改革従事。事業再生案件では、シネコン・アパレル・小売業などで経営メンバーとして参画。
一橋大学卒業、東京大学大学院修了。
コンサル・起業を経て、リヴァンプへ
広告代理店、外資コンサルティング、LAでCG会社の起業と、20~30代は「マーケティング」や「メディア・エンタメ」という軸でキャリアを築いてきました。
最新テクノロジーのエンタメ分野への応用に興味があり、情報学の大学院にも行きました。しかし30代中盤のある日、現社長の湯浅(コンサル時代の私の同期)がテレビの取材(再生案件のCOOとして)を受けているのをたまたま見ました。
そのイキイキとした顔を見て、衝撃を受けました。私も企業再生案件にかかわり、経営者として腕試しがしてみたい!そう思って、急遽リヴァンプの門を叩きました。
事業再生と構造改革
40歳手前にして、とうとう数百億円のシネコン・チェーンの事業再生でCOOの役割が回ってきました。
結果は、わずか3年ほどで赤字からV字回復。最終的には他シネコン・チェーンの追加買収のバリューアップまで経験することができました。
改めて、日本企業は生産性改善の余地があり、大胆な構造改革により利益体質に変えることができると実感しました。
それから立て続けに再生案件に関わったのですが、(成功体験だけでなく)自分に価値が無いことに呆然とする時期もありました。
しかし、事業再生という仕事の厳しさと面白さ知れば知るほど、もっと大きなチャレンジしたいと思うようになりました。
顧客価値創造とクリエイティブ
年商約1000億円規模のリテール企業の再建を担うことになり、顧客価値創造とクリエイティブの重要性に気づきました。構造改革は、経営指標を要素分解し、短期的な効率性を上げるものです。つまり、長期的な構造改革のみでは担保できません。
“創造”というからには経営者にも一定のクリエイティビティが求められます。顧客インサイト、ストーリー化、デザインなどにかかわる素養を蓄積する必要があります。
最近ではTVCM企画の絵コンテを自分で作ってみる、など表現レベルまで知見を高める努力をしています。
分断と企業統治
大企業の再生は簡単ではありません。何千人もの人間がそこで生きており、非成長の時代に社員たちは大きな不安を背負っています。現代日本の閉塞感そのもののです。
ドラスティックな成果主義やDX化だけでは、一部のエリートの分断を生み、問題の本質は解決しません。あらゆる現場で働く人々の「役割」と「モチベーション」をどう生み出すのか、そこが時代のテーマです。
複雑な時代をどう生きるか?
かつてのコンサルタントは、複雑なものを単純化する仕事でした。しかし、今は単純化することでかえって悪影響が出るケースも増えています。
資本主義、民主主義、グローバル化の欠陥。若い頃の”あるべき姿”は、(現実的にも理論的にも)、白黒つけられない状況です。
キャッチーなスローガン、分かりやすい二元論ではなく、複雑なものを複雑なまま理解する訓練が必要だと思っています。
一見、矛盾に満ちた企業統治こそ、いま問われる知の体系なのかもしれません。
(例)
「企業統治」:強いリーダーシップと民主主義
「分配」 :成果主義とセーフティーネット
「経営技術」:再現性(テクノロジー)&非再現性(クリエイティブ)
「場」 :デジタル空間&リアルな現場