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写真左:玉塚 元一氏  右:リヴァンプ取締役 千田

リヴァンプ創業者で現・ロッテホールディングス社長である玉塚元一氏とリヴァンプ取締役千田の対談をお届けいたします。

千田は2009年にリヴァンプに入社し、2010年に玉塚さんがリヴァンプを退任するまでに一緒に働いていました。2005年の創業当時を振り返りながら、今年で18年目を迎えたリヴァンプはどう変化して成長していったのか、二人の対談を通してお伝えします。

創業当時と比較して変わったもの、変わっていないもの

千田:玉塚さん、ご無沙汰しています。ちょくちょくお会いさせて頂いていますが、リヴァンプの新しいオフィスにお越し頂くのは初めてですね。

玉塚:外苑前のオフィスに来たのは久しぶりだけど、オフィスが拡張されてかなりキレイになったね。
(新しいオフィスを見ながら)僕がいた時よりも社員数が10倍以上に増えていると聞いたけれど、今人数はどれくらいいるの?

千田:今社員数は300人弱で、新卒も全体の2割程となり、毎年新卒の人数が増えています。最初は男性社員ばかりでしたが、今は3割が女性社員となるなど、様々な方が働いています。

玉塚:それはすごい(笑)創業当時は20~30名程度で、社員全員が中途採用だったから、新卒がいるなんて信じられないよ。業務内容はどうですか?

千田:「企業を芯から元気にする」という企業理念を大切にしていること、いわゆるコンサルタントではなく経営の包括的パートナーとしてクライアントと共に汗をかいていることは創業当時から変わっていないです。
ただ、サービスが多岐に渡ったことが大きな変化かもしれません。

今は経営DX投資という3本の柱がたっています。経営は、斎藤さん(取締役)と私がチームを率いていて、玉塚さんがいらっしゃった頃の全方位的な経営支援の型にプラスして、マーケティングとITの要素が強化されたものをイメージして頂くと良いかもしれません。
創業オーナーやスタートアップ企業、ファイナンシャルスポンサーからの依頼で仕事を受けることが多いですね。
私は今大手消費財メーカーからカーブアウトした企業の経営企画支援業務を担当しています。

チームはミニマム3名程度でやっていますが、案件によっては10名前後のチーム構成になっているところもありますよ。キタムラ様が事例の一つです。DXでは、基幹システムの開発・刷新や、業務改革、AIを用いた共同研究などを行っています。ITの内製化を目的に掲げていて、一つの事例で言うと、ファンケル様のプロジェクトが参考になると思います。

投資は、現在スタートアップ投資を中心に投資を実行しています。

リヴァンプが社会から求められていることとは?

玉塚:確かに人数もサービスも大きく変わりましたね。自分が設立した時は「経営者の梁山泊を作る」というのがモデルだったけれど、まさしくそのようになっているね。大勢の社員が切磋琢磨しながらクライアントのために仕事をした結果ですね。

千田:ありがとうございます。玉塚さんはリヴァンプを離れてから様々な会社の経営に携わってきたと思います。その上で、改めてリヴァンプのどんなところが企業の強みだと思いますか?

玉塚:リヴァンプはいわゆるコンサルティングではなく経営の実行部隊として、現実のハードさを知りながらも、今は経営、マーケティング、デジタルや投資のソリューションも持っていることが本当に強みだと思う。
コンサルティングでもなくベンダーでもない。「企業を芯から元気にする」という企業理念に共感して入社してくれた仲間たちが、今のモデルを作ってくれたんだと改めて思いましたね。

その仲間たちのおかげで会社が活性化すれば、付加価値の高いサービスをお客様に提供出来る。当たり前のサイクルだけれど、きわめてエッセンシャルな集団だと思います。
日本企業の多くは、様々な課題や壁に当たっている会社が多いと思うので、まさにリヴァンプする、という事が必要とされていると感じますね。

なぜリヴァンプを創業したのか?

千田:ありがとうございます。
改めて玉塚さんの口から聞きたいのですが、リヴァンプの創業経緯を教えてくれませんか?
先ほどお伝えしたように、今は社員数が約300人と増えてきたこともあり、その根幹の部分を改めて玉塚さんに再度説明して頂きたいです。

玉塚:じゃあ僕の略歴から話します。僕は旭硝子、IBMを経て、98年にファーストリテイリングに入社をしています。当時、ユニクロで柳井さんの元で修行させてもらって、売上数百億だった会社が数千億になり、会社の成長期の中でとても刺激的な経験をさせてもらいました。そこで学んだことはたくさんあるけれど、シンプルに「やる気のある人材や新しい経営のエッセンスを入れれば、より進化する会社が世の中にはたくさんあるんじゃないか?」と強く思ったんですよね。

その頃は多くの企業再生ファンドが台頭してきた頃だったんだけれど、彼らと同じ金融というアプローチではなくて、経営を実行するオペレーション側で会社を革新できる集団をつくれないかと思っていた。
ファーストリテイリングの社長を退任した後、その考えに共感してくれた澤田さんと一緒にリヴァンプを創業。これが創業当時の思いです。

リヴァンプの若手に求めること

千田:入社当時、自分は玉塚さんと澤田さんに憧れて入社した部分が大きかったので、その創業経緯の話はとても印象に残っています。
今いるリヴァンプの若手に向けてメッセージを頂けないでしょうか?

玉塚:若手の時は自分の経験レベルをあげていくのが大事だと思っています。自分のレベルよりも高い仕事に向き合うと、大変なことは多いと思うけれど、それを乗り越えて経験値をためていかないと成長することはできない。成長を繰り返さないと、大きなゴールにはたどりつけない。自分をリヴァンプすることが大事なんじゃないかな。

若手の時は特に自分のキャリアビジョンに悩んだりすることが多いと思う。僕は今経営者をやらせてもらっているけれど、若手の頃は正直、具体的なビジョンは持っていなかった。できたらリーダーや経営者になりたいなとぼんやりと思っていた程度で、目の前の仕事にひたすら向き合っていたね。一生懸命に目の前の壁に向き合っていたから、その先は正直考える暇もなかった。目の前に現れた壁にひたすら向き合っていた結果が、今につながっているんだと思う。

リヴァンプに入社したのなら、「企業を芯から元気にする」という根幹を意識しながら、仕事に向き合ってほしいですね。
経営者は本当に大変な仕事。社員、そして社員の家族含めた生活を支えているし、株主やステークホルダー、すべての最終決定者・責任者だよね。日々緊張感をもって、その視座で仕事をすることが大事。せっかくリヴァンプに入ったのであればそれは意識してほしいです。

さいごに

千田:ありがとうございます。最近は情報が溢れすぎていて、逆にキャリアに迷ったりする人も多いと思います。
クライアント視点で目の前の仕事に取り組む。メンバーに改めて伝えていきたいと思います。

玉塚:基本的には、20代30代の若いパワーや考え方が、この国を変えていく源だと思っています。自分よりもはるかに優秀な子が多いです。
僕は、年下になればなるほど、対等に教えてもらう姿勢が大事だと思っています。役割と役職は別だからです。役割の元では、誰でも対等で、目線はニュートラル。そういった視点で全員日々の仕事をしてほしいと思っています。

そしてリヴァンプは、この国にとって必要な集団です。
今、経済同友会の副代表幹事をやらせて頂いていますが、色々な委員会でヒアリングをしていく中で、改めて日本の経営力が大事だと感じています。イノベーションや新しい価値を生むためには、素晴らしい経営者が多く必要です。

当時、経営者の梁山泊を作る、というのがリヴァンプの創業モデルでした。経営者として切磋琢磨しあって、優れたリーダーを日本に輩出することが目的だったんです。今、まさにリヴァンプはそうなっているな、ということがわかりました。

千田:玉塚さん、ありがとうございました!

プロフィール

■玉塚元一 株式会社ロッテホールディングス 代表取締役社長

1985 年、慶應義塾大学卒業後、旭硝子株式会社(現 AGC 株式会社)入社。工場勤務、海外駐在を経て、日本 IBM に転職。1998 年、株式会社ファーストリテイリングに入社、2002年に同社代表取締役社長 兼 COO に就任。2005 年 9 月に企業再生・事業の成長を手掛ける企業、株式会社リヴァンプを創業し、代表取締役社長に就任。その後 2010 年 11 月、株式会社ローソンに入社。同社取締役代表執行役員 COO 経て、2014 年 5 月より代表取締役社長、2016 年 6 月に代表取締役会長 CEO。2017 年 6 月、株式会社デジタルハーツホールディングス代表取締役社長 CEO に就任。2021 年 6 月株式会社ロッテホールディングス代表取締役社長に就任。現在に至る。
株式会社デジタルハーツホールディングス非常勤顧問、トランスコスモス株式会社社外取締役、一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン理事長、公益社団法人経済同友会副代表幹事も務める。

■千田勇一 株式会社リヴァンプ取締役 執行役員

2006年一橋大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券入社。投資銀行部門にて資金調達、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資案件に従事。2009年リヴァンプ入社後は主に小売、飲食、サービス、インターネット業界において、経営戦略立案、全社企業価値向上支援、マーケティング改革、ブランディング等のプロジェクトに従事。