AIを活用した
非臨床試験のデジタル化
推進プロジェクト
「動物と人の命を救う」。
本ミッションのもと、この取り組みはスタートしました。
標的化合物の枯渇をはじめとした様々な要因によって
創薬効率が年々低下する現代において、
創薬プロセス効率化の必要性が叫ばれています。
なかでも、非臨床試験分野はDXの浸透遅れが顕著であり、
動物評価には未だ企業ごとに異なる属人的な評価基準が採用され、
評価は現場研究者の目視により行われるなど、
その正確性やスループット性には大幅な改善の余地があります。
非臨床試験分野のDXを進め、
実験デザインや評価にAI等をはじめとした最新技術を取り入れることで、
従来人の目では見ることのできなかった情報の取得が可能となります。
その結果、動物の状態理解の解像度が格段に向上し、
従来より正確、かつスピーディな化合物評価が可能になり、
非臨床試験の効率の劇的な向上が見込まれます。
非臨床試験の効率化により、実験に用いられる動物も最小限にとどめることができ、
3Rの順守にも繋がり、企業価値の向上も望まれます。
私たちは、非臨床試験のあり方を変革することで、人と動物の命を救います。
新規物探索行動試験、オープンフィールド試験等、現行で実施されている動物試験・行動評価をAIを用いて自動化し、 客観的で再現性の高い実験結果取得、研究者の負担減少を実現します。 また、既存試験の連続性は担保した上で、新たな評価指標を追加することにより、同一試験から更なる知見を得ることも可能です。 例えば、異常行動検出、競合品・既存薬に対する差別化データ構築、他疾患への適応拡大可能性の探索などが実現します。
定型の撮影システムを用い、定量的で再現性の高い行動評価により、特定の動物モデルの特徴を評価。 また、化合物をモデルに投与した際のそれらの指標の変化を観察することで、薬効と毒性を評価します。
一般行動・異常行動の組み合わせにより、対象とする疾患モデルや開発候補化合物の評価が適切に行える新規評価系を探索 ターゲット疾患に対する化合物評価に最適化した、従来にない動物評価系を新規構築することで、 従来型の試験よりもより正確且つ効率的な評価が可能にこれまで実施している評価系の内容をヒアリングの上、 既存の評価系の課題を抽出、よりヒト臨床外挿性や効率に優れた評価系の提案と実装を一気通貫でサポートします。
個体の位置や身体の中心、ならびに身体の各部位の位置を座標として認識する技術です。 それらのデータを基に、移動に関する情報や身体の向き、身体の特定部分の動きを取得することが可能です。 これらの技術を応用することで、例えば、①マウスの移動量・速度やケージ内のどこにどの程度の時間居るかが分かることで、個々の身体・精神状態や社会性把握ができる、 ②動物の足の部位の相互の位置関係がわかることで、歩き方(歩容)、関節の動きなどが評価できる、 ③物体に対する向きや探索時間などの情報が得られることで、認知機能が評価できる、など動物の様々な状態把握が可能となります。
独自で開発した、動物行動検出に特化した機械学習モデルを活用し、いつ、どのような行動を、 どの程度の時間行っていたかを検出・記録することができる技術です。 行動は0.016秒単位での検出が可能であるため、それぞれの行動の1回あたりの秒数など、必要に応じて細かく分析することができます。 これらの技術を用いて、立ち上がり、グルーミング、ひっかきなどの一般行動はもちろん、異常行動の検知や社会的行動についても検出することが可能です。
個体識別、部位識別、行動検出などの技術を統合・応用し、 時間軸との照合なども行いながら、動物モデルや開発候補化合物のより総合的で実態を反映した評価へと繋げる技術・ノウハウです。 正確で、スループット性の高い行動解析基盤技術に加え、 動物や非臨床試験について幅広い見識を有する東京大学大学院農学生命科学研究科放射線動物科学研究室村田 幸久准教授をアドバイザーとして迎えることにより、よりヒトへの外挿性の高い病態・薬効評価方法の提案・実装が可能です。
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